よしむらもと@風呂
池松壮亮の活躍が目覚ましい
今年だけで8本の映画が公開予定で、内2作が主演。
染谷将太と並んで、映画界における期待度がかなり高い若手俳優である。
自分は「泣かせ」の映画が嫌いで、基本的にそういった映画は避けるようにしている。
特に難病もの。
そんなの哀しいに決まっているから。
そんな自分がこの映画を進んで観るなど本来ポリシーに反してるのだが、所謂泣かせに走ってない、という評判を多く見たので元々キャストのチョイスがツボだったこともあり、夜に突然思い立ち渋谷まで繰り出したのだった。
評判通りで、「ここでボケて泣いて」という場面は全くと言っていいほどなく、母親を助けようと奔走する兄弟を淡々と描いている。
「こんなの楽勝!」という感じで病に侵される母親を可愛らしく演じる原田美枝子と「しょうもない親父だなー。」と苦笑させる長塚京三が兄弟を手厚くバックアップ。
繊細な兄を演じた妻夫木聡は俳優として円熟してきた感。
(彼は作品選びがすごく上手。)
池松壮亮が演じる弟役は、かなりの儲け役。
憂鬱な場面が多くなりがちになるところ彼のあっけらかんとした言動がスクリーンを和ませ、数少ない泣きシーンも担当。
主演とも考えていい役をしっかりこなした彼の今後に期待したい。
真摯に映画に向き合って、安易に泣かせに走らなかった石井監督についても素直に賞賛したい佳作。
ワンワン泣いてすっきりしたい!という方にはちょっと物足りないかも。
